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就職氷河期世代とは?就職氷河期世代の特徴と採用のポイント

就職氷河期とは、1993年から2005年頃まで続いた就職難の時代を指します。この時期はバブル崩壊後の不況が長期化し、企業の採用枠が大幅に縮小したことで、新卒の就職が非常に困難となりました。有効求人倍率は1999年に0.48倍という過去最低水準を記録し、求職者1人に対して求人が半数以下という厳しい状況でした。景気の冷え込みと企業の採用絞り込みが重なり、結果として多くの若者が非正規雇用やフリーターとして働かざるを得ない社会問題が発生しました。

 

なぜ就職氷河期と呼ばれるのか

「就職氷河期」という言葉は、1993年に雑誌「就職ジャーナル」が命名し、社会問題化しました。バブル崩壊後の経済低迷により、企業が採用数を減少させたことで新卒者の就職活動が極めて厳しいものとなった時期です。この状況が「氷河期」と表現されるほどの冷たい雇用環境を意味しており、1994年には新語・流行語大賞の特選造語賞にも選ばれました。その後も金融機関の破綻やリーマンショックが重なり、10年以上にわたり就職難が続きました。

なぜ就職氷河期が起こったのか

就職氷河期の原因は、1990年のバブル崩壊が引き金となりました。バブル期に過剰な採用を行った企業が、その後の景気後退で採用数を一斉に絞り込んだことが直接的な要因です。さらに、1997年からの金融危機や消費税増税、大手銀行の破綻が雇用情勢を悪化させ、求人市場は冷え込んでいきました。この影響で、新卒者は「働きたくても働けない」状況に直面し、フリーターや非正規雇用として働かざるを得ない環境が続きました。

 

就職氷河期世代とは

就職氷河期世代とは、1970年~1982年に生まれた40代から50代前半の世代を指します。この世代は、新卒時にバブル崩壊後の厳しい経済状況と重なり、就職が非常に困難だった背景があります。企業が採用を大幅に縮小し、有効求人倍率は1999年には「0.48倍」という低水準にまで落ち込みました。その結果、多くの若者が希望の職に就けず、非正規雇用やフリーターとして働かざるを得ない状況に追い込まれました。また、社会構造の変化に伴い、キャリアの積み上げが難しい環境が続きました。そのため、この世代は「ロストジェネレーション世代」とも呼ばれ、経済的な安定や正社員としてのキャリア形成において大きな遅れを取ることとなりました。一方で、厳しい環境を生き抜いた世代ならではの特徴や強みも存在しており、近年では政府や企業が支援策を打ち出し、この世代の再雇用や就業支援が進められています。

就職氷河期世代のネガティブな特徴

理想のキャリアが積めていない

就職氷河期世代は、バブル崩壊後の深刻な経済不況の中で新卒時に正社員採用の機会が極端に減少した世代です。希望の企業や職種に就くことが難しく、やむを得ず非正規雇用やフリーターとして働き始めた人が多くいます。その結果、キャリア形成の初期段階でつまずき、経験やスキルを十分に積み上げる機会を失いました。特に終身雇用制度が崩れつつある中、転職の際も経験不足や実績のなさがハードルとなり、キャリアアップが難しい状況が続きました。さらに、職場環境の厳しさや待遇の不安定さから自信を失い、チャレンジ精神が薄れてしまうケースもあります。こうしたキャリアの遅れは、年齢を重ねるほど解消が難しく、結果として他の世代とのキャリア格差が広がる要因となっています。

転職回数が多い方がいる

就職氷河期世代は、安定した正社員雇用に恵まれなかったため、短期間で職を変えるケースが多くなりました。採用が限られていた状況下で、自身の生活を維持するために非正規雇用や契約社員として様々な職場を経験する必要があったからです。一見すると「転職回数が多い」と捉えられがちですが、これは生き抜くための柔軟性や新しい環境への適応力の高さを示しています。また、多岐にわたる業務経験を積むことで、幅広い知識やスキルを身につけた人も少なくありません。採用時には、その回数だけで判断せず、実際に何を経験し、どのような強みがあるのかを丁寧に評価することが重要です。転職を繰り返す中で培われた適応力や課題解決能力は、現代の働き方において大きな武器になる可能性があります。

他の世代と比べて年収が低い

就職氷河期世代は、非正規雇用が長期化した影響で、正社員としてのキャリア形成が遅れた世代です。新卒時に正社員としての採用機会を逃したことで、安定した職を得られず、その後も昇給や昇進が難しい状況が続きました。非正規雇用では正社員と比べて給与水準が低いため、ライフイベント(結婚、出産、住宅購入など)を迎える際にも経済的な不安がつきまといます。また、企業の年功序列制度の崩壊やリストラの影響も受け、年収が上がりにくい状況が顕著です。加えて、社会的なキャリア支援が乏しい時期に働き始めたため、スキルアップや資格取得の機会にも恵まれず、結果的に収入の面で他の世代との格差が広がっています。しかし近年では、氷河期世代の経験や真面目な働きぶりが再評価されつつあり、企業や政府の支援により改善の兆しも見えています。

就職氷河期世代のポジティブな特徴

真面目でストイック

就職氷河期世代は、バブル崩壊後の不景気という厳しい時代に育ったため、どのような仕事でも真面目に取り組む姿勢が身についています。経済的な不安を抱えながらも、少しずつ経験を積み上げ、生活を支えるために努力を続けてきた世代です。そのため、仕事に対して責任感が強く、手を抜かずにコツコツと成果を出す姿勢が際立っています。また、限られた雇用機会の中で働くことの大切さを理解しているため、与えられた業務に対する取り組み方や努力の質も高く評価されています。仕事への向き合い方は、企業が求める「持続的な成果を出せる人材」として重宝される要素です。近年では、真面目でストイックな姿勢が再評価される傾向にあり、安定した環境で働く機会が増える中で、その強みを最大限に発揮できる場が広がっています。

変化に強い

就職氷河期世代は、インターネットや携帯電話、パソコンの普及が進む時代に働き始めた世代です。アナログな業務からデジタル化への過渡期を経験しており、変化の激しい環境に柔軟に適応する力が備わっています。仕事のやり方や働く環境が急速に変わる現代において、こうした変化への適応力は非常に重要です。また、雇用環境の厳しさから職場や業務内容が変わることにも慣れており、新しいことに取り組む際の抵抗感が少ないのも特徴です。企業の中でも、IT技術や新しいツールの導入に柔軟に対応し、現場の変革をサポートする役割を担うことができます。現代のビジネス環境では、変化に強い氷河期世代の柔軟性や適応力は、即戦力として企業にとって大きな武器となるでしょう。

仕事で活かせる資格を取得している

就職氷河期世代は、新卒時に厳しい雇用環境を経験したため、手に職をつける意識が非常に高い傾向があります。将来の不安を少しでも減らすために、資格取得やスキル習得に積極的に取り組んだ人が多いのも特徴です。例えば、業務に直結する技術系の資格や、事務職に役立つPCスキルの認定資格を持つ人が多く、転職市場でも高く評価されています。資格を取得する過程で培われた計画性努力を継続する力も、仕事においてプラスに働く要素です。また、特定分野の資格を持つことで、企業側も即戦力として期待しやすく、採用時の大きなアピールポイントになります。キャリア形成が遅れた分、自己研鑽に力を入れた就職氷河期世代は、専門スキルを持つ貴重な人材として企業に貢献できる存在です。

氷河期世代の採用ニーズは高まっている

近年、少子高齢化による労働力不足や、企業の中核を担ってきたバブル世代の引退が進んでいることで、就職氷河期世代の採用ニーズが急激に高まっています。この世代は、真面目さやストイックな姿勢、豊富な現場経験から生まれた専門性を武器に、即戦力としての期待が高まっています。また、政府は「就職氷河期世代支援プログラム」として、職業訓練や正社員雇用に向けた支援を行っています。企業側も支援策を活用しながら、積極的に氷河期世代を採用する動きが広がっており、今後もこの流れは強まることが予想されます。

関連:就職氷河期世代支援プログラム

 

就職氷河期世代の有能人材を採用する時の注意点

職歴を重視し過ぎない

就職氷河期世代の履歴書には、転職回数が多い、あるいは職歴に空白期間があるといった特徴が見られることが多くあります。しかし、これらは単なるネガティブな要素ではなく、時代背景による影響や柔軟性・適応力の証でもあります。新卒時に雇用機会が限られたこの世代は、仕事を選ぶ余裕がなく、生活のために非正規雇用や短期契約を繰り返す必要がありました。そのため、転職回数の多さは「職を転々とした人材」と捉えられがちですが、実際には環境の変化にも柔軟に対応し、様々な業務経験を積んできた証でもあります。特に、氷河期世代は厳しい時代を生き抜くために培った粘り強さや適応力を持つことが多く、長期間の職歴よりもその人の意欲ポテンシャルを評価することが重要です。採用の際には履歴書の見た目だけで判断せず、面接で候補者の人柄や過去の経験、どのように課題を乗り越えてきたのかといった背景をしっかりと聞くことで、企業にとって真に価値のある人材を見極めることができます。企業側が職歴にとらわれない柔軟な採用基準を持つことが、就職氷河期世代の可能性を最大限に引き出す鍵となります。

職歴の空白を確認する

就職氷河期世代の職歴には、どうしても空白期間が見られることがあります。企業側としては「なぜ空白があるのか」と疑問に感じるかもしれませんが、その背景にはさまざまな事情が存在するため、一概にネガティブに捉えるべきではありません。例えば、正社員の採用が困難だった時代に、資格取得やスキルアップに励んでいた人も多くいます。特定の専門分野に特化したスキルや資格を取得していた場合、その後のキャリアで大きな強みとなることがあります。また、家庭の事情や体調不良で仕事を一時的に離れざるを得なかったケースも少なくありません。そのような状況下でも、再び仕事に戻る努力を重ねてきた姿勢や、現状を改善しようとする意欲は高く評価されるべきポイントです。採用担当者は空白期間に対して厳しく追及するのではなく、その期間に何をしていたのかを丁寧に確認し、今後の成長や貢献の可能性を見極める姿勢が求められます。特に、厳しい環境を経験してきた氷河期世代は、逆境でも諦めず努力を続ける粘り強さを持つことが多く、その精神は企業にとって大きな財産となるでしょう。採用時には、空白期間の背景にある努力や姿勢に注目し、適切に評価することが重要です。

 

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