採用活動において、良い採用キャッチコピーは採用成功のための大切な一要素です。
本記事では、良い採用キャッチコピーを作るための事前準備から、具体的な作り方のポイントまで、徹底的に解説いたします。
目次
採用キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、TVCMや街中の広告、WEB上での広告バナーなどに載っている、その商品やサービスの魅力を一言で伝えるフレーズです。
ターゲットが商品やサービスに興味を持つ最初のきっかけになります。
本記事でとりあげる採用キャッチコピーとは、採用活動において、募集企業や求人情報の魅力・特徴を一言で伝えるフレーズです。
長さは様々ですが、1文~2文程度の短いコピーが一般的。
求人情報の一番目立つ場所に大きく記載されており、求職者の視界に一番最初に飛び込む文章です。
WEBサイトに掲載している求人情報については、その求人情報の詳細をクリックして読むかどうかを判断する一要素にもなります。
メールの件名、ブログのタイトル、動画のサムネイル画像のような役割です。
良い採用キャッチコピーは、求職者の興味や関心を掴みやすく、その後に続く求人情報の詳細を読む気にさせることができます。
逆に、良くない採用キャッチコピーは、求職者にスルーされてしまいやすく、その後に続く求人情報の詳細を読んでもらえません。
良いキャッチコピーを作ることで、多くの応募者に自社の求人情報を読んでもらうことができるのです。
採用キャッチコピーを作成する理由
良い採用キャッチコピーを作成すべき理由は、多くの応募者に求人情報を読んでもらうためだけではありません。
採用活動において他にどんなメリットがあるのでしょうか。
理由① 記憶に残りやすくするため
求職者は多くの企業の求人情報を目にしており、1社1社の企業の印象はどうしても薄れてしまいます。
印象的な採用キャッチコピーは求職者の記憶に残りやすくなり、いざ応募先を検討する際に思い出してもらうことができるのです。
理由② 企業のイメージを知ってもらうため
採用キャッチコピーに企業の雰囲気や特徴を盛り込むことで、求職者に企業イメージが正しく伝わり、ミスマッチを防ぐことができます。
理由③ 採用ブランディングのため
採用ブランディングとは、ターゲットとなる求職者に企業のブランドイメージをアピールし、「この会社で働くことは魅力的なことだ」という印象を確立することです。
求職者に対する統一したメッセージを採用キャッチコピーに込め、あらゆる媒体で発信することで、働く会社としての企業ブランド力を高めることができます。
採用キャッチコピーを作成する際に確認しておきたい要点
ペルソナの設定
ペルソナとは、採用したいターゲットの具体的な人物像のことです。
必要なスキルや経験、年代などは求人情報を作成した時点である程度決まっていると思いますが、より具体的に人物像を設定することをおすすめします。
ターゲットの転職理由、性格、現在の収入、家族構成、キャリアプランまで想像しながら設定してみてください。
できれば「こんな求職者を採用したい」という企業側の希望だけではなく、「こんな求職者であれば、他社ではなく自社を選んでもらえそうだ」という求職者側の希望や企業選定基準も考慮してみましょう。
会社についての情報整理
良い採用キャッチコピーは、印象的な言葉選びや言い回しの工夫以上に、何を訴求するかが重要です。
会社としての強みや特徴、他社との違いをピックアップし、整理してみましょう。
はじめは細かく考えず、企業理念や事業内容、営業方針や組織風土などを思いつくままに挙げてみます。
会社の情報だけではなく、求人情報の特徴もピックアップしましょう。
仕事内容や労働条件、一緒に働く人のこと、身に付くスキルなど、求職者にとって魅力になりえる要素を挙げてみます。
求める人材と自社の共通点の詮索
次に、「設定したペルソナが特に知りたいこと」と、ピックアップした「会社情報・求人情報の特徴」との共通点を細かく調べます。
採用キャッチコピーは1文~2文程度の短いフレーズなので、多くの情報を入れることができません。
どの情報を採用キャッチコピーで表現するかを選ぶため、共通点を探すのです。
例えば、
仕事探しにおいて企業の安定性を重視しているようなペルソナであれば、企業の安定性が伝わるような情報、
○○の仕事に挑戦したいと考え仕事を探しているようなペルソナであれば、その仕事に挑戦できることが明確に分かるような仕事内容に関する情報、
というように、ペルソナに一番伝えるべき情報を選定します。
競合会社のキャッチコピーの確認
求人サイトに掲載されている、他社の採用キャッチコピーを確認します。
今回募集したい職種で求人情報を絞り込むと、多くの求人情報が表示されるはずです。
それらはすべて採用競合となります。
「自社の魅力だと思っていた情報は、他社も同じように訴求しており、あまり差別化にならなそうだ」
「当たり前だと思っていた自社のこの待遇、意外と強みになるかも」
など、他社の求人情報と自社の求人情報を比較することで気付きを得られる可能性があります。
多くのキャッチコピーを確認しておくことで、自社の採用キャッチコピーを作成する際の参考にすることもできます。
魅力的な採用キャッチコピーを作るポイント
事前に確認しておきたい要点について整理ができたら、実際にキャッチコピーを考えてみましょう。
良いキャッチコピーを作成するためのポイントや、作り方のちょっとしたコツをご紹介します。
ポイント① 句読点を入れる
多くの求人情報が並ぶ中、求職者は1社1社丁寧に時間をかけて採用キャッチコピーを読んでくれる訳ではありません。
そのため、求職者の視界に一番最初に飛び込む採用キャッチコピーは、リズム良くサクサク読める表現にすることが重要です。
リズミカルなキャッチコピーは印象に残りやすく、そのためには句読点を適切に入れることがポイントです。
だらだらと長い文章ではなく、リズムの良い文章になるよう句読点の位置にこだわってみてください。
参考までに、句読点の使い方が秀逸な採用キャッチコピーをいくつかご紹介します。
パンか、ごはんか、ファミマか。(ファミリーマート)
とがった丸になれ、丸紅(丸紅)
ようこそ、ブラックな企業へ。(トゥモローゲート)
“好きすぎる”は、才能。(角川グループ)
「面白がり」、求む。(ディー・エヌ・エー)
不必要に多い句読点は、リズミカルさ以上に日本語としての違和感を与えかねないため、注意しましょう。
ポイント② 口語的な文章を書く
まるで親しい人から気軽に話しかけられているような柔らかい表現で文章を書くことで、採用キャッチコピーで伝えたいメッセージが求職者の頭にスッと入りやすく、印象にも残りやすくなる効果があります。
法人向けに作られたような、漢字や専門用語の多い堅苦しい文章でなければ大丈夫です。
特に学生アルバイトの採用や新卒採用においては、柔らかい表現を心掛けましょう。
ポイント③ 疑問を与える
上述した口語的な文章の中でも、よく使われるのは「疑問形」のコピー。
スタッフ定着率90%の理由とは?
○○するのは、もうやめませんか?
比較的取り入れやすいので、作成した文章を口語的に表現できないか、考えてみてください。
ただし、疑問形にすることで文章が不自然になってしまうようでしたら、無理に疑問形にする必要はありません。
表現にこだわりすぎて、伝えたいメッセージが崩れないよう気を付けましょう。
ポイント④ 短くシンプルな文章にまとめる
ついあれもこれもと伝えたいことを詰め込みたくなりますが、採用キャッチコピーは短くシンプルな方が印象に残りやすく、メッセージも伝わりやすくなります。
一度作成したキャッチコピーから不要な言葉を徹底的に排除することがポイントです。
意味が伝わるギリギリまで言葉を省きましょう。
ポイント⑤ 会社で働く利点を記載する
採用キャッチコピーを考えていると、つい企業側が求職者に求めることばかりを書いてしまいがちです。
企業が求めている要素ももちろん必要な情報ですが、求職者が知りたいのは、その企業で働くと自分にどんなメリットがあるのかという点です。
設定したペルソナの立場になり、自社に入社したらどんな良いことがありそうか想像して、利点を記載してみてください。
ポイント⑥ メッセージ性を含める
設定したペルソナに向けて、何かメッセージを投げかけるのもおすすめです。
例えば「あなただったらどんなお店を作りたいですか?」というような内容です。
求職者は企業からのメッセージについて自然と考えさせられるため、親近感や興味を抱きやすくなり、より詳しい求人情報を読んでもらえる可能性が高まります。
ポイント⑦ カタカナやひらがな、数字を使用する
日本語で文章を作成すると、自然とひらがなと漢字で構成されることが多いでしょう。
インパクトのある採用キャッチコピーにするために、通常はひらがなで表現する言葉をカタカナにしてみたり、漢字をあえてひらがなで表現してみると、ガラっと印象が変わります。
誰でも初めは未経験→誰でも初めはみけいけん
また、数字を使うことも効果的です。
残業少なめ→残業月10時間以下
早期昇格可能→最短6ヶ月で昇格可能
大量募集→80名募集
数字で明確に表現することで、求職者との認識の齟齬をなくし、ミスマッチを防ぐこともできます。
ポイント⑧ 働く意欲を与える
もし、設定したペルソナが高い挑戦心を持つ人物像であれば、働く意欲をかき立てる採用キャッチコピーもおすすめです。
チャレンジングな組織風土や、意識の高い従業員が多いということを、短い言葉でアピールします。
「 」、ツケテいこうぜ。(大和ライフネクスト株式会社)
やってみなはれ(サントリー)
楽しくなければ仕事じゃない(アステックペイントグループ)
はじめの、一粒(株式会社サカタのタネ)
「挑戦できる会社です」という文章に留まらず、求職者のモチベーションを一層刺激するような表現を考えてみてください。
ポイント⑨ 働く姿をイメージさせる
まだ企業のことをよく知らない求職者にとっては、自分がそこで働く姿はなかなか想像できません。
特に未経験者にとっては、どんな仕事をするのか、どんなやりがいがあるのかはイメージしにくいものです。
そういった求職者に効果的なのは、実際に働く姿や仕事内容を想像しやすいキャッチコピーです。
地図に残る仕事(大成建設株式会社)
最高のコンテンツを作る会社(株式会社Cygames)
あなたの仕事は文化になる(松竹株式会社)
ポイント⑩ 共通点を感じさせる
知らない人と初めて会話する際、趣味や出身地などに共通点があると一気に距離が縮まりますよね。
その効果は、採用キャッチコピーにも応用可能です。
例えば、設定したペルソナと同じ年齢・性別・経験の従業員が語っているセリフを、採用キャッチコピーにしてみるという手法。
ペルソナに近い求職者はそのセリフの話者に共通点を見出し、一気に距離を縮めることができます。
ポイント⑪ 言葉のリズムを意識する
俳句のような【5・7・5】のリズム、ラップのような韻を踏んだリズムなど、日本語でのメッセージ発信において「リズム」は、重要な要素です。
採用キャッチコピーを作成する際にも、リズムを意識し、違和感や読みづらさ、気持ち悪さがないか確認してみましょう。
キャッチコピーを作成する際の注意点
違和感のないフレーズを作成する
良い採用キャッチコピーを作るためのポイントを考慮しすぎて、違和感のある不自然な文章になってしまったり、何が言いたいのか分からない文章になってしまうことは避けましょう。
現実的なキャッチコピーを作成する
魅力的に見せようとするあまり、一般的に考えて非現実的なメリットを書くことで、求職者には「応募獲得のための嘘なのではないか」と思われる懸念があります。
例えば「入社1年で月収●万円も可能」という表現はよく使われますが、相場とかけ離れた金額は非現実的だと思われたり、ブラック企業だと思われてしまうかもしれません。
また、相場的には現実的な金額でも、自社の実態とかけ離れてしまう場合は後々のミスマッチや早期離職に繋がりますので、控えるようにしましょう。
採用キャッチコピーの宣伝方法
採用サイトや説明会での活用
完成した採用キャッチコピーは、採用サイトや説明会の資料など、求職者の目に触れる可能性のある場所に掲載しましょう。
その際、できればフォントや色まで統一し、もともとある自社のイメージカラーや雰囲気と合うようにデザインできるとベストです。
SNSでの拡散
自社のSNSアカウントの中で採用キャッチコピーを紹介することも、宣伝に有効です。
SNSは宣伝費がかかりにくく、求人サイトではアプローチできない求職者層まで拡散されやすいといった特性があるため、ぜひ検討してみてください。
まとめ
良い採用キャッチコピーを作るための様々なテクニックをご紹介しましたが、小手先のテクニックだけではなく、ペルソナ設定や情報整理など事前の準備が重要です。
本記事を参考に、自社ならではの魅力的な採用キャッチコピーを作ってみてください。
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