アイスブレイクとは、その名前の通り「氷を解かす」の意味を持ち、初対面や会議など話し合いを円滑に行うために、緊張をほぐすための時間や会話の事を指しています。お互いを知るために必要なコミュニケーションの第一歩です。 例えば、グループが新しいプロジェクトに取り組むために初めて集まったとき、アイスブレイクを行うことで、メンバー同士が打ち解け、効率的にプロジェクトに取り組むことができるようになります。
この記事では、面接を行う面接官が知っておきたいアイスブレイクのテクニック、失敗例について記載をしています。
目次
面接のアイスブレイクの目的とは?
面接の際に、アイスブレイクを入れる事は、非常に大切です。
アイスブレイクをせずに面接を始めた場合、応募者の方の本来の良さがわからない可能性や、緊張によって確認したい内容を確認できずに終わってしまう可能性もあります。
また、応募者の情報を正しく獲得できないだけでなく、応募者の方に悪い印象を与えてしまう可能性もあるため、必ずアイスブレイクを入れて応募者の方との信頼関係を高め、リラックスした中で、応募者の適性や性格、志向性を引き出してください。
アイスブレイクの他にもこちらの記事で面接時のポイントについて解説しています。あわせてご覧ください。
アルバイト採用に効果的な面接方法とは?質問や当日キャンセルを防ぐポイントを解説
応募者の気持ちを和らげる
面接では、応募者が評価される立場になる為、応募者の方はほとんどの場合緊張しています。(入社したい企業であればあるほど緊張します)
アイスブレイクを入れることで、この緊張をやわらげ、リラックスしていただくことが出来ます。
緊張状態では思考力が鈍る事もありますので、応募者をリラックスさせることが出来るかどうかも面接官の力量と考えてよいと考えています。
応募者の素を引き出す
リラックスすることで、応募者の素の部分を引き出す事が可能になります。
面接では、良く見せようとして別人を演じようとされる方も多くいらっしゃいます。
その状態では、正しい適性判断は出来ません。
採用において適正を判断することは非常に重要です。
会社の印象をよくする
リラックスをして面接を受けられた場合、応募者の方も面接に満足する可能性が高まります。
それは、応募者自身がしっかりと回答が出来た、自らをPRできたと感じられる事と、また面接官に対する印象についても、良い印象を持っていただく事に繋がります。
面接官は、会社のなかで唯一直接かかわる事ができる、顔のような役割ですのでどのような印象を与えるかは非常に重要です。
面接でアイスブレイクを成功させるためのポイント
ここでは、アイスブレイクを成功させるためのテクニックを記載しています。
面接をする側のスキル、テクニックですのでこれらを活かして、良い面接を行っていただけたらと考えております。
お礼と自己紹介から話を始める
面接官から会話をスタートしますが、まずは忙しい中で面接の時間を作っていただいたことに対してのお礼から始めましょう。
そのうえで、面接官の自己紹介を行ってください。
誰かと話すなかで、その人の価値観やプライベートな一面が垣間見えた瞬間、その人に親近感を覚えることがあるでしょう。
これは面接でも同様のことが言えます。自己開示をされることで信頼に足る相手だと感じてもらう事が出来ますし、
また、自己開示の返報性といって、自己開示をされた場合、自身も自己開示をしたくなるという心理が働きます。
その為、この自己紹介では、仕事の面だけでなくプライベートな事(例えば趣味や先週末のできごとなど)や失敗談、
過去の就職・転職のキャリアの事などを交えて話す事で、信頼関係を築き、応募者の方を自己開示をしたくなる状態にすることが出来ます。
履歴書などから共通の話題を見つけておくと、非常にスムーズに自己開示を行う事が出来ます。
例えば「仕事とは関係ありませんが、履歴書にスポーツが趣味だと書かれていましたが、私もスポーツは、やるのも見るのも好きで。WBCの日本優勝を見て、週末、久しぶりに野球をしまして今全身が筋肉痛です・・(笑)最近はスポーツはされていらっしゃいますか?」といったように自己紹介をする事が出来ます。
時間を決めておく
アイスブレイクは、あくまで緊張をやわらげ、面接を有意義に使うためのものですので、長くなりすぎないように面接開始5分のみなど、時間を決めておくことで、面接時間を確保する事につながります。
クローズドクエスチョンを投げかける
はじめの質問は、クローズドクエスチョンから始めると、面接の雰囲気を作る事が出来ます。
緊張がほぐれる前にオープンクエスチョンを使ってしまうと会話が滞ってしまったり、沈黙の時間を作ってしまい、応募者の緊張を高めてしまう可能性があります。
3回程度、Yes,Noなどでカンタンにこたえられる質問からスタートすると良いです。
ただし、アイスブレイク終了後、面接ではオープンクエスチョンを行う事で、応募者の方の考え方を確認することが出来ます。
応募者との共通点から話を広げる
応募者の話しやすい話題からスタートすることで、会話しやすい状態を作る事が出来ます。
履歴書から仕事以外の趣味や特技がわかる場合はその話題を、業界や、職種、卒業学校などからも共通の話題を見つけることが可能です。
天気や、季節の行事なども共通の話題として使う事も出来ます。(マスクや花粉症なども自己開示と併せることで活用できます。)
面接のアイスブレイクで使える話題と質問集
アイスブレイクは、面接では必須事項ですのでいくつかのネタを用意しておくと便利です。
趣味・特技
履歴書の趣味・特技の欄から話題を作る。
応募者にとって得意ではない話題での自己紹介やアイスブレイクは控えて、
あくまで応募者の方に自己開示をしていただく場を作る事を念頭に置いて話題を作る事が大切です。
出身地
出身の中学校などから共通の話題を作る事が出来る場合は、出身地の話題も話しやすい話題の一つです。
特に共通の出身であれば、親近感を持ってもらえる可能性が非常に高い話題です。
会社までの交通手段
良く使われるアイスブレイクの一つです。通勤途中にあるおススメの飲食店などを伝えることで入社後のイメージを持ってもらうこともできます。
季節や天気
特に雨や雪の日、お花見の時期や最高気温などの話題を利用して自己開示を行う事も出来ます。
ただし、応募者の方の自己開示にはつながらない話題の為、どうしても話題がない時に使うと良いと思います。
就職活動の状況
この話題では、過去の面接官自身のこれまでの転職活動の経験談などを自己開示することで、親近感を持ていただく事が出来ます。
こまかく就職活動状況を聞くと、志望度を測られていると感じてしまう可能性がある為気を付けてください。
面接のアイスブレイクでよくある失敗やNG質問
緊張を和らげるためのアイスブレイクで、逆に緊張感を高めてしまったり、信頼感を失ってしまった場合、面接全てが上手く行かなくなってしまいます。
失敗例を確認して、失敗しないようにアイスブレイクを行ってください。
クローズドクエスチョンで話を展開する
クローズドクエスチョンは、初めの数回の質問として有効ですが、クローズドクエスチョンでは、応募者の考えを引き出せないどころか、面接官が意図した範囲での回答になってしまい、本来の考えを聞くことが出来ません。
オープンクエスチョンで、「朝食は、何が好きか?」の場合、回答は「ごはんとお味噌汁」「サラダ」「ヨーグルト」「シリアル」等、志向性のわかる回答が得られますが、クローズドクエスチョンでは「朝食はパン派ですか?ごはん派ですか?」といったように限定されることになり、場合によっては「朝食のパンはトースト派ですか?焼かない派ですか?」といったように回答がすでに限定された質問をしてしまうリスクがあります。
本人の興味のない話題を話す
自己開示だけであれば、応募者が得意でなかったり興味のない話題でも、自己開示をしたという心理的な意味を持ちますが、同じ話題で本人から自己開示をしてもらうためには、応募者が得意としている話題、興味がある話題での質問が必要です。
緊張しているか尋ねる
緊張しているか尋ねることで、さらに緊張させてしまう可能性があります。緊張している事を自覚させる事は得策ではありません。
また、人から言われると、自らそのイメージに合わせてしまう心理的な効果があり、緊張させてしまう結果となります。
自社を知ったきっかけを聞く
会社を知ったきっかけを聞く事は、意図していないくても志望度を聞かれていると感じさせます。仮にたまたま求人を見ただけの場合であっても、そう答える事が不正解のような印象を与え、緊張させ、素の回答を引き出す事が難しくなります。
オンライン面接でアイスブレイクを行う際の注意点
オンラインのツールの使い方、技術的な問題を知っておく必要があります。起きやすいトラブルについては、事前に対処法を確認しておく必要があります。
面接を始める前に、音声や画像のトラブルがあると緊張感を高めてしまう結果となります。
応募者の方でなんらかのトラブルがあったとしても、別のツールで代替する等、すぐに対応できるように準備が必要です。
また、画面の背景、カメラの角度、画面の中での人の大きさなどにも注意が必要です。
カメラの位置は目線と同じ高さから平行に写るように調整をしてください。
ノートパソコンについているインカメラなど、カメラが目線よりも下からだと、文字通り上から目線の印象を与えてしまいます。
また、画面に占める顔のサイズが大きすぎたり、小さすぎたり、また下の方に映っている場合も、違和感を与えてしまいマイナスの印象を与えてしまいます。
また、オンラインの面接の場合、合いの手がわかりにくい事がありますので、大きく相槌を打つなど、話しやすい環境を作る事も大切です。
まとめ
面接は、応募者が応募や企業について自己申告をする場であると同時に、面接官が応募者の適性や志向性を判断する場でもあります。
そのため、面接官こそ準備して臨むべきです。
履歴書や応募書類を事前に確認し、面接で聞きたいポイントや質問を用意することが大切です。
また、面接官は応募者がどのような状況で面接に臨んでいるか注意深く確認し、アイスブレイクを入れて緊張をほぐすような雰囲気を作ったり、質問方法を工夫するなど、対応に気を配ることが求められます。
応募者からの信頼を勝ち取るだけでなく、もしも不採用にする場合であっても、企業の顔である面接官が評価される側という事を忘れずに、望むことが大切です。
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